チェスについての考察①


HP化してからサブコンテンツとして急ピッチで整理していたチェスのギャラリー。撮影ブースで撮れるサイズの物はほぼ掲載し終わり、数えた所その数実に50セット。ブースに入らない大型セットや、チェステーブルなどがもう少しあるのでかなりの数になりました。

実は今回掲載するまで数をきちんと数えた事がなく、大体40前後という認識でした。元々資料として集めている物なので、画像の整理が出来た上に、コンテンツも充実出来て有意義な作業になりました。

さて、ここでチェスについて少し。
チェスにはキング、クイーン、ビショップ、ナイト、ルーク、ポーンの6種類の駒があり、白と黒の陣営に分かれ、それぞれにキング1、クイーン1、ビショップ2、ナイト2、ルーク2、ポーン8の16個の駒がチェス盤に並びます。

金属・大理石ゲーム開始時の駒の配置

現在のチェスは国際化された競技のため、国際標準として採用されている、”スタントンタイプ”というデザインが一般的です。これが今日チェスと聞いて大勢の人が思い浮かべるデザインのもので、
・役割の認識のしやすさ
・扱いやすさ
・デザインの美しさ
・普及に適した生産性
のバランスの取れたデザインの物です。

ではチェスは昔からこのデザインなのかというと、そうではありません。

元々チェスはインドで戦争ゲームとして発祥した”チャトランガ”というゲームがヨーロッパに伝わり、各国を巡るうちに名を変え、ルールを変え、姿を変えて成立していったものと考えられています。このチャトランガはチェス系統の類似のゲームの源流であり、日本の将棋、中国のシャンチー、タイのマックルークなどは全てチャトランガを元にローカライズされて成立したものであると言われています。

その中でもチェスがユニークであるのは、陸続きのヨーロッパの広大な地域を渡り歩いて成立していったという部分です。その途中当然各地で独自の駒が作られ、国際的な競技になるまでは各地域で”地域駒”とも呼ばれるローカルな駒が使われていました。

DPP_10013_R所有するセットのナイトたち(一部)

チェスの中でも一際個性的なのがナイトの駒です。騎士を表すナイトの駒は、多くの場合馬の姿で表現されます。一部では馬に跨る騎士であったり、甲冑を着た騎士その物である場合も見られます。

ナイトはチェスの中でも最も美しい駒と言われ、しばしばチェスを表すアイコンなどにも使用されます。

また、スタントンタイプではロクロ製法で作る事が出来る他の駒に対して、ナイトだけはロクロで作れるのは台座だけで、馬の姿は彫刻的な表現がなされているため、高級な駒になると一つの彫刻作品と言えるような手間をかけて作られる物もあります。

DPP_10017_R所有する木製のナイトの一部。

左の物は耳が尖った特徴的な形で、ロバのような愛らしい姿です。これはタイ製のもので、チェスというよりもタイのマックルークの駒に見られる特徴が反映されているようです。
右から二番目のものはトルコ製のもの。加工技術は高くありませんが、目玉の表現が特徴的です。その他の物はスタントンタイプに準じた省略的な表現の駒です。

続く

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